もうひとつの

木綿のハンカチーフ

大学入試センター試験どころか共通一次テストもなかった頃の話。

冷え冷えとした部室で、恵子と近々やってくるバレンタインデーの話で盛り上がっていた。

恵子 「時々ね、思うの。S先輩が、東京の大学だけはすべってくれないかなって」

私  「何言っているのよ」

恵子「東京ってさぁ、誘惑がいっぱいありそうじゃない。ましてや女性もきれいだしさぁ」

私 「言えてる〜。でもすべることはまずないでしょ。試験当日に熱が出れば別だけど」

恵子「そんなのダメよ。そんな縁起でもないこと考えるなんてひど−い!」

私 「言いだしっぺはそっちでしょう」

それから本当に恵子の好きなS先輩は、試験前夜に都内のホテルで発熱したらしい。

名古屋を出発するまでは、快調だったようなのだが・・・

結局、S先輩はさらに北の大学に進むこととなった。

交際してから9年後、二人はめでたくゴールインした。

大きなお腹を抱えて、式に列席した私は、かなり涙ぐんで「てんとう虫のサンバ」を歌った。

式が終了するころには、フォーマル用の化粧はすっかり落ちてしまっていた。                 

                                             2006/1/19

                                           


恋人よ 僕は旅立つ 東へと向う列車で
華やいだ街で 君への贈りもの 探す 探すつもりだ
いいえ あなた 私は 欲しいものはないのよ
ただ都会の絵の具に 染まらないで帰って
染まらないで帰って

恋人よ 半年が過ぎ 逢えないが泣かないでくれ
都会で流行りの指輪を送るよ 君に君に似合うはずだ
いいえ 星のダイヤも 海に眠る真珠も
きっとあなたのキスほど きらめくはずないもの
きらめくはずないもの


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  1975年「木綿のハンカチーフ」
 歌・ 太田裕美
作詞・松本隆
 作曲・筒美京平
 編曲・荻田光雄

ご存知太田裕美さんの代表曲ですね。高校時代に観光バスの中で皆で合唱しました。
ファンの間では「モメハン」と言うらしいですが、歌詞の構成が往復書簡の形をとっているところ
がみそですね。男女の思いがだんだんと離れていくところを表現している松本隆さんの詞が
素晴らしいです。似た様な構成の詞に吉田拓郎さんの「春を待つ手紙」があります。
どうぞよろしければ聴いて下さいね。(ちゃっかり宣伝)
それから曲は、ヒットメーカー筒美京平さんで覚えやすいメロディーです。
荻田光雄さんのイントロもいいです。ってほとんどの人は知っていますね。
私の世代中心に話していますが(笑)

青春プレイバック・・・・・・・この話は真実半分、作り話半分と思って下さい。