今年の寒さは記録的なもの凍えてしまうよ♪と暮れから今年に掛けて「氷の世界」を思い出したファンは多かったと思う。

つかみどころがない、本音がわからない、生活感がない、そして非日常を感じさせるアーティストである。

離婚した時、大麻所持容疑で逮捕された時、「やっぱりな」と知人は言った。

でもそこそこ人付き合いはいいし、義理は果たすし、インタビューの受け答えもそつがなく意外と内面はまた違っているの

かもしれない。

アンドレ・カンドレ時代は、まったく知らない。この頃から注目していれば先見の明があったと誇らしげに語ることもできるが

同級生に勧められて聴いてみたのが陽水との出会いであった。

「断絶」「陽水Uセンチメタル」「陽水ライヴ もどり道」と聴いてきて、多感な時期と重なったこともあってどんどん惹かれて

いった。魅力は詞とドラマチックな曲にマッチする歌唱力であった。

「断絶」「限りない欲望」「感謝知らずの女」「東へ西へ」などが特にお気に入りであったのだが「氷の世界」に出会った衝撃

はとても大きかった。

なんたって 窓の外にリンゴ売りがいて、それは誰かがリンゴ売りのマネをしているだけなんだって・・・意味不明である

それでもって TVが寒さで画期的な色になったと思ったらあの醜い娘をぐっと魅力的な娘にして消えたって・・・難解である

このアルバムは、収録曲の構成がよくて何度も聴いたし、陽水の良さがいっぱい詰まっていて大好きだった。

発売されてから長く売れ続け、邦楽初のミリオンセラーにもなり、レコード大賞の企画賞も取り、時の人となってしまう。

飛ぶ鳥を落とす勢いの陽水に、私は、もうこれ以上望むものはなかった。

よく詞が変だと批評していた母も「心もよう」を聴いてから、それを言わなくなった。当時、歌謡界の人も競って歌いたがった

人気の曲であり、かなり大衆受けする作品だったと思う。

その後のアルバム「二色の独楽」を買ったきり、レコードを買わなくなった自分がいた。どうも熱が冷めてしまったようだ。

それでも82年頃に初めてコンサートに出かけてみた。とってもエンターテイメントなステージで素晴らしかったが、もう私の

イメージする陽水はそこにはいなかった。



そして時は流れて

今ではベスト盤を買うくらいですっかりご無沙汰してしまった。

それでもテレビの主題歌で、CMで流れてくる声を聴くとドキドキする。

ネットの掲示板で「用水」「揚水」と書かれると、「違いますよ」と言いたくなる。

そして出演番組は、必ずチェックしているし、かつての名曲をカバーしてくれる若いアーティストにも好感を持ってしまう。

今でも「お元気ですか」と私に語りかけてくれる陽水がいる。
 


                                                  2006/1/14

井上陽水












































































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